この記事の内容
- 2chで生まれた怖い都市伝説「きさらぎ駅」
- きさらぎ駅周辺で起こる恐怖体験
- 2ch民を惹きつけた「はすみ」の投稿
- 「はすみ」は最後に消えてしまう
きさらぎ駅周辺で起きる怖い出来事
「きさらぎ駅」は、インターネット掲示板2ch(現5ch)で生まれた不気味な都市伝説として有名です。
この都市伝説は、ある女性が2chのオカルト板に投稿した実体験をもとに広まり、多くのインターネットユーザーを恐怖に陥れました。
主な舞台は「きさらぎ駅」と呼ばれる、現実には存在しない駅。
終電の時間を過ぎても止まらない電車に乗った「はすみ」という名の女性が降り立ち、そこから恐怖の体験が始まるという物語です。
「はすみ」とは誰か?
この物語の主人公である「はすみ」は、2chにリアルタイムで書き込みを行った投稿者です。
彼女は、オカルト好きな一般人のように見え、日常的な状況で恐怖に巻き込まれていきます。
彼女が掲示板に書き込みを始めたのは2004年1月8日、オカルト板で彼女の摩訶不思議な体験が進行形で綴られていきました。
彼女が2chに投稿を始めた時点では、普通に深夜の電車に乗っていたと語ります。
しかし、その後すぐに異変を感じ始めます。
電車がいつもとは違うルートを走り、見知らぬ無人駅に停車してしまうのです。
彼女の書き込みを追う読者たちは、はすみさんがどんな不気味な体験をしているのかをリアルタイムで知ることとなり、次第に彼女と一緒に恐怖を感じるようになります。
「きさらぎ駅」とは?
物語の舞台となる「きさらぎ駅」は、現実の地図や鉄道路線には存在しない駅です。
「きさらぎ」という名前自体は、漢字で「如月」と書き、旧暦の2月を意味しますが、実際にこの名前の駅は日本中どこを探しても見つかりません。
この「現実に存在しない駅」という設定が、物語に独特の不気味さを与えています。
はすみさんが降り立った「きさらぎ駅」は、無人で人気のない駅。
深夜の時間帯にもかかわらず電車はこの駅に停車し、はすみさんは恐る恐る降り立ちます。
しかし、周りは真っ暗で、どこに向かえばよいのか分からない状況です。
この駅に降り立った瞬間から、彼女の不気味な体験が本格的に始まります。
リアルタイムで進行する恐怖
はすみさんは、駅での不安な体験をその都度、オカルト板に投稿していきます。
彼女の書き込みを見た他のユーザーたちは、様々なアドバイスや助言を送り始めます。
「早く逃げるべきだ」「警察に連絡したほうがいい」といったアドバイスが飛び交いますが、はすみさんの体験はますます異常な方向へ進んでいきます。
この「リアルタイム投稿」という形式が、物語に大きな恐怖を与える要因となっています。
読者たちは、はすみさんが投稿する瞬間に起こっている出来事を、まるで自分の目の前で起きているかのように感じるのです。
このリアルタイム性によって、はすみさんの不安感や恐怖が、インターネットの向こう側にいる読者たちにも伝わり、物語は急速に注目を集めました。
掲示板の読者の反応
はすみさんの書き込みが進むにつれて、掲示板の読者たちは次第に真剣に彼女の状況を心配し始めます。
最初は冗談半分だった反応も、やがて真剣な助言や応援に変わっていきます。
「大丈夫ですか?」と彼女を気遣う声や、「今すぐその場所を離れたほうがいい」といった警告が次々と寄せられました。
しかし、はすみさんの状況は悪化していきます。
掲示板のユーザーたちは、はすみさんの体験に対してさまざまな仮説を立て始めました。
「異次元に迷い込んだのではないか」「タイムスリップしてしまったのかもしれない」といったオカルト的な説から、「単なるいたずらではないか」という懐疑的な意見まで、あらゆる解釈が飛び交いました。
その一方で、はすみさんの投稿はますます不穏なものとなっていきます。
彼女は駅から歩き出しますが、周りには建物もなく、聞き慣れない音や気配が次第に不気味なものに変わっていきます。
この進行する恐怖に、掲示板の読者たちも手に汗握りながら彼女の書き込みを待ち続けました。
消えてしまった「はすみ」
はすみさんと2ch民の投稿はしばらく続き、はすみさんはトンネルを見つけて入っていきます。
2chの住人の中には「トンネルを抜ければ安全」と助言した人もいました。
トンネルを抜けたら、深夜3時頃にもかかわらず先のほうに立っている人を見つけ、その人の車に乗せてもらったはすみさん。
しかし、その運転手の様子が次第におかしくなっていきました。
彼女が投稿した最後のメッセージは、以下のものでした。
もうバッテリーがピンチです。
様子が変なので隙を見て逃げようと思っています。先程から訳のわからない独り言を呟きはじめました。
いざという時の為に、一応これで最後の書き込みにします。
この最後の投稿をもって、はすみさんの書き込みは二度と行われることはなくなり、彼女の行方も分からないままとなりました。
(後日、7年後にはすみさんを名乗る投稿があり、7年ぶりにもとの世界に戻れたという内容でしたが、真相はわかりません)
その後、掲示板の読者たちは、彼女が本当に存在していたのか、彼女の体験はフィクションだったのか、あるいは実際に異次元の「きさらぎ駅」に迷い込んでしまったのかを巡って、議論を繰り広げました。
はすみさんがリアルタイムで発信していた恐怖の物語は、まるで実際に彼女が「きさらぎ駅」周辺の異世界に迷い込んでしまったかのような臨場感を持ち、ネット上で瞬く間に広がっていったのです。
現実に「きさらぎ駅」は存在するのか?
この都市伝説の謎は、「きさらぎ駅」が現実に存在するのかという点です。
はすみさんが語った内容がどこまで事実なのかは定かではありませんが、彼女が記した場所や状況に一致する実在の駅や場所は、発見されていません。
一部の都市伝説研究家たちは、「きさらぎ駅」は異次元の駅であり、特定の条件下でしか現れないのではないかと考えています。
また、はすみさんが経験した出来事が、タイムスリップやパラレルワールドの一環だった可能性も取り沙汰されています。
しかし、これらはあくまで仮説に過ぎず、真相は明らかになっていません。
一方で、「きさらぎ駅」はあくまで2ch掲示板で生まれた創作であり、はすみさんの投稿も一種のフィクションであったと考える人も多くいます。
それにもかかわらず、この物語がここまで広まり、人々を恐怖させ続けるのは、そのリアルタイム性や謎が多く残された点にあると言えるでしょう。
きさらぎ駅の怖いところや広まった理由は?【まとめ】
「きさらぎ駅」が多くの人々に語られる理由の一つは、その不可解さと現実感にあります。
現実にはあり得ないような異常な出来事が、まるで日常の延長線上にあるかのように描かれている点が、読者に恐怖を与えています。
また、はすみさんが投稿を続ける中で、彼女が感じる不安や恐怖がリアルに伝わることで、読者はまるで自分がその体験をしているかのような感覚に陥ります。
さらに、「きさらぎ駅」という存在しない場所が舞台でありながら、登場する要素が現実に即しているため、読者たちは「もしかしたら自分も同じような体験をしてしまうかもしれない」という恐怖を感じるのです。
都市伝説としての「きさらぎ駅」は、このリアリティと非現実の絶妙なバランスが、多くの人々を引きつけ続ける理由でしょう。